京都二條園2077

かぐや姫以来、初?の京都のSF小説。2077年を舞台にした京ことばによる奇想天外なストーリー。毎週火曜日更新!!はじめてお越し頂いた方は、「第一章・第一話 その1」からお楽しみ下さい。
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第一章・第二話 その2「前ぶれーション」 なんぼなんでも!どこのどなたはんどっしゃろ?

「あ~もしもし、上林さんどすか...?
いやぁ~、いつもお世話になってます二條どす。せんだってはエライすんまへんどしたなぁ。 ・・・ いえいえ何を言わはりますやら。
こっちこそ気ぃ使こてもうて。へぇ?・・・ ハハハッ いえいえ!
ところで上林さん、今日は、ちょっと相談に乗って頂きたい事がおしてなぁ。 
へぇ。まぁ、電話で済ますのもなんどすサカイに、あとで寄してもーてもかましまへんやろか? ・・・ハァ。へぇ、 あぁ、そら、おおきに。ホナまた、のちほど。」

ガチャッ。チ~ン。カチャ カチャ カチャ・・・

「あ~おおきに、垣口さんどすか?いやぁ~、いつもお世話になってます二條どす。
ハハハ・・・こないだはエライおおきに。 ・・・いやいやいや ・・・」
 
 輝斗は次々に心当たりの同業仲間に電話をかけていきました。
その横でミヤコと弥生は、小声で話しておりました。

「そやけど弥生ちゃん。今までいっぺんも取り引きさしてもうてへんのに、先にお金までキーッチリ振り込んでもろて。商売としてはありがたい話なんやけど...」
「そうどすな...。けどぉ~商品があらへんいう事では、どもならしまへんしねぇ。
いやぁ~、そやカテこんだけのお茶を、どないしたら集められるっちゅーにゃろねぇ。
おばちゃん、これがホンマの『無茶』いいますんやろかね~
うふふ...」
 
 場をなごますのも京女の努め...とはいえ、実際にはそんな悠長な事を言っている場合ではありませんでした。
というのも、市場に流通しているお茶袋の最も大きいサイズ、いわゆる大袋でも一袋に二百グラムしか入りません。お茶一トンを大袋で換算すれば五千袋にもなります。
今回の『ジョニーK/フロム・イーストコースト』さんからの注文合計が770トンですから、先程の計算でいきますと、実に大袋で385万袋になります。
もっとわかりやすく考えれば『10トン』トラックで約八十台分。

 これから、お茶の収穫期を迎えるこの時期とはいえ、途方もないお茶の量であることには変わりありません。
いやはや、まさにこういうのを『無茶苦茶』と言うのでしょうか。ふふふ。

「あ~おおきに、橋本さんですか?いつもお世話になってます二條どす。
ハハハ・・・いやぁ~、こないだはエライごっつぉになりまして。
いやいやいや・・・ほんにきずつないこっとしたわ・・・
ところで、今日はちょっと折り入った話がありましてな、ハァ。へぇ・・・ 
ほな、後でよしてもらます。はいはい、へぇ、ほな、おおきに」 ガチャッ。

「中井さんですか?いやぁ~、ご無沙汰してます、輝斗です。ハハハ・・・
いやぁ~、お母さん、おおきにおおきに。 ・・・いやいやいや ・・・」

 とまぁこんな調子で、輝斗はあっと言う間に同業の五十件ほどに電話をかけ、次々とアポを取っていきました。やはり、いざ!という時にモノを言うのは、日頃の付き合いと人望なのかもしれません。

「ホナわし、ちょっと出てくるわ。」
骨董品さながらの受話器を電話に戻した輝斗は二條園のロゴが入った、これまたちょっと古臭い時代遅れの型の配達バンに乗り出かけて行きました。

「お父ちゃん、おはようおかいりやすぅ」
「輝ちゃん、気ぃお付けやっしゃ」
弥生とミヤコは、二條園のバンが見えなくなるまで軒先きで見送っていました。
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