京都二條園2077

かぐや姫以来、初?の京都のSF小説。2077年を舞台にした京ことばによる奇想天外なストーリー。毎週火曜日更新!!はじめてお越し頂いた方は、「第一章・第一話 その1」からお楽しみ下さい。
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第一章・第二話 その1「前ぶれーション」 なんぼなんでも!どこのどなたはんどっしゃろ?

「なんぼなんでも!
560億7千万円て、どこのどなたはんどっしゃろ?
ほんでコレ...。何のお金やろ? ウチ、なんや恐いわ。」
と、弥生は震える声で言いました。

560億7千万円...。

 この数字は、二條園創業以来の過去三百余年にわたる総売上を、はるかにしのぐ金額でした。しばらく3人は無言でその場に立ち尽くしていました。

「これ、ケタ間違うたはるんと違いまっしゃろか?」
ミヤコは、誤記説を言い出しました。

「ウチらしらんまに、事件かなんかに巻き込まれてしもたんとちゃうやろか?」
弥生は、事件説を言い出しました。
 
「そうや!
こらぁ、裏社会組織のマネーロンダリングや、そうに決まったるわ」
最後に当の主人である輝斗までもが、訳のわからない陰謀説を言い出す始末でありました。

 その後、三人は各々さまざまな可能性をひとしきり話しあいましたが、その内に思い付く事もなくなり、またしても無言になってしまいました。

 振込明細書を囲むように見ていた彼らが、最後に注目したのは、唯一の手がかりとなる振り込み名義人欄。そう、今まで全く聞いた事もない
『ジョニーK/フロム・イーストコースト』
という名前でした。

「ジョニー、ジョニーK...、ジョニーK/フロム・イーストコースト...」
しかしくりかえし口にしたところで、まったく見当もつきません。

 しばらく頭をひねり続けていた輝斗でしたが、突然何かを思い付いたかのように、注文商品の合計金額と振込金額が合っているかどうか計算をし始めました。
 その後、ガサガサとお店の在庫をチェックしてみたり、倉庫から出て来たと思ったら、急に頭を抱えて考え込んだりと、ずいぶん悩んでいる様子です。
 またそれからも、店内をウロウロして、小一時間ばかり落ち着かない状態が続きましたが、急に立ち止まり、目を瞑って黙って腕を組んでいたかと思うと、
次の瞬間!

「よっしゃ! まずは上林さんに電話や!」

 大きい声でそう叫ぶと、彼は例のパノラマティック・扇フォンではなく、骨董品さながらの古い電話器のほうを手に取り、江戸時代から続く宇治の老舗へつなぎました。
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