京都二條園2077

かぐや姫以来、初?の京都のSF小説。2077年を舞台にした京ことばによる奇想天外なストーリー。毎週火曜日更新!!はじめてお越し頂いた方は、「第一章・第一話 その1」からお楽しみ下さい。
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第一章・第一話 その4「京の静かな昼さがり」丸竹夷二押御池 あぁ~、ヒマやなぁ~

「なんやこれ? 壊れてんのちゃうか? サラやのに!」

 彼の言う『サラ』とは新品の事です。しかし、通信機はいたって正常に作動していました。
通常なら左右120℃の角度に開く大きな扇型の液晶画面に、通信相手の映像が映し出される仕組みなのですが、この場ではモニタに小さい文字が点滅しているだけだったのです。

 ~ただいま超光速移動中の為、通話ができなくなっております。後程おかけ直し頂くか、メッセージをお願い致します。~

その小さな文字を目を細めるようにしながら見つめていた輝斗ですが
「超光速...? 超光速て! 光の速度を超えるてか?
んなアホな。ここ、数の単位も漢字の使い方もまちごーとんな。
こらラチあかんわ」
 
 半信半疑の素振りを見せながらも心の中では『もしホンマやったら?』という淡い期待を抱いていた彼は、あきらめきれないようでもう一度発信したのですが、やはり先程と同じ文字が表示されるのみでした。

「やっぱアカンなぁ」
「なんえ? 輝ちゃん。やっぱりイタズラか?」
「さあ? どないなってんのやら。よーわかりまへんわ。」
 
 今度は落胆した様子を隠そうともせずに肩を落とした彼は、メッセージも残さずに通話を切りました。
それから、また先程と同じように暖簾越しに表通りを眺めながら、両手を上げ「ふぁあぁあぁ~~~」と、すっかり気の抜けたあくびをしかけたそのとき!

「ひやぁ~! ちょっとお父さん、お父さん!」

 そこへ輝斗の妻の『弥生』が、悲鳴にも似たカン高い声を上げながら、二人のもとへ駆け寄って来ました。手にはなにやらプリントアウトした書類らしきものを持っています。

「お父さん、お父さん! 今、銀行さんから連絡あったんやけど...。大変え!お店の口座に、もっ、ものっすごい大金が振り込まれたんやて。
イヤ、コレなんやろ? なぁ、お父さん」

 書類を持つ弥生の手はぶるぶると震えていました。その震えを押さえようとして、もう片方の手を添え輝斗に差し出しました。彼はすぐさま、なかば奪うようにして書類を手に取りました。
 それは確かに二條園と取引のある『京の信用金庫』の振込明細に間違いはありません。

振込人名義は、『ジョニーK/フロム・イーストコースト』
振り込み金額は560億7千万円。
 
今度は、輝斗の手と膝ががたがたと震えはじめたのでした。
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第一章・第一話 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

あぁ~、ヒマやなぁ~、いうおひまがあったら、毎日更新しとおくれやっしゃ。

それと、

彼の言う『サラ』とは新品の事です。しかし、通信機はいたって正常に作動していました。

彼の言う『サラ』とは新品の事どす。そやかて、通信機はいたって正常に作動してましてん。

と、もっと、もっと京ことばを使っておくれやす。

ほな、あんじょー。
2008-04-27 Sun 08:00 | URL | 渋谷区民 #-[ 編集]
渋谷区民さま
いつも、応援頂きましてありがとうございます。
ご指摘の通り、語りベ部分の標準語は、当初の企画では『京ことば』にしておりました。
しかし、試作を読んだ方から「オール『京ことば』の文面では、なんやしんきくさいわ」「ちょっとテンポ悪いんとちゃう?」という声が寄せられましたので、現行のスタイルとなりました。
尚、毎日の更新は厳しいと思われますが、検討してみます。
これからもごひいきにお願いします。

2008-04-27 Sun 16:48 | URL | ななちゃんズ #-[ 編集]

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