京都二條園2077

かぐや姫以来、初?の京都のSF小説。2077年を舞台にした京ことばによる奇想天外なストーリー。毎週火曜日更新!!はじめてお越し頂いた方は、「第一章・第一話 その1」からお楽しみ下さい。
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第一章・第一話 その3「京の静かな昼さがり」丸竹夷二押御池 あぁ~、ヒマやなぁ~

「えぇ~、
煎茶百。玉露五十。お抹茶が二十に、お番茶五百。ほんでグリーンティが百...。
ふーーーん...?
ミヤコおばちゃん、これのどこがどうイタズラやて言いますにゃ?」
と、先程の注文書を見て不思議そうに首をかしげてみせる輝斗。

「はぁ~。ウチかて最初はそう思いましたんやけど...。
そやけどその書いたぁ~る数量のあとの単位!
ヨウみとくなはいな。」
ミヤコは、ちょっと不服そうな顔をして、もう一度念を押すように言いました。

「んあぁ~? ん? んぁ~? 『t』て書いたぁーんなぁ。
ティー?『t』てなんや!」
「へぇ...。いつもの注文やったら『g(グラム)』どっしゃろ? ま、なんぼ多ても『kg(キロ)』どすなぁ。
...そやけど『t』ゆーたら『トン』の事と、ちがいまっしゃろか?」
「トン...? トンかいな?」
「へぇ・・・。千キロ単位の『トン』 」

『確かに...。』と疑問に思った彼は、決して大きいとはいえない目を皿のように見開いて、もう一度その注文書を、それこそ穴があくほどじっくりと見たのでした。
 
 いやはや、この注文書の『t』という単位が正しいのであれば、二條園創業三百余年はじまって以来の大量注文です。しかし、普段は多少の卸業をしているとはいいましても、あくまで小売り中心の商いですので、そんな山のような在庫など持ち合わせているわけがありません。はてさて困ったものです。

しかし、一体誰がそんな莫大な量のお茶を注文して来たのでしょうか?
考えれば考えるほど、訳が分からなくなっていく二人でありました。

「え~、発注元は...『ジョニーK/フロム・イーストコースト』?...。
なんじゃこら? 聞いた事あらへんなぁ?...。
ま、そやけど、いっぺん先方さんには連絡入れといたほうがヨサソやな。なんしか数の確認だけでもしとかんと、こっちカテ動きよーがあらへんサカイなぁ。」

そう言いながら、京都の電気街である『寺町通り』の電話ショップで先日購入してきたばかりの、自慢の「パノラマティック・扇フォン」を手に取り、ワンタッチ液晶扇面を開いて注文書の相手先番号を入力しました。これは、油小路通りに居を構える、十一代目・遠藤新兵衛氏が考案し、世界のグッディーデザイン金賞に輝いた空前のヒット商品でありました。

「え~。ピッポッパッ で パッピップッペッピッ っと...」

とりあえずイタズラでも何でも良いから、発注元にコンタクトを取ってみようと考えたようでした。このあたりは彼のポリシーで『実際に、しゃべってみんとわからへん』という自身の経験に基づいているようです。また、仮に単位が『kg』や『g』の間違いであったとしても、暇を持て余していたこの時期に、新規の注文は、結構有り難いと思ったのでしょう。
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第一章・第一話 | コメント:4 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

関東語のコメントは、いらん思うてます。関東人はあほやおへんさかい、解説は無用どす。京ことばで完結しておくれやっしゃ。ほな、応援しているさかい、おきばりやっしゃ。
2008-04-17 Thu 22:53 | URL | 渋谷区民 #-[ 編集]
コメントならびに、CDもお買い上げ頂いているとの事、おおきにありがとうございます。
小説では、標準語解説は基本的にナシで考えております。
今後ともよろしゅうおたのもーします!
2008-04-18 Fri 19:04 | URL | ななちゃんズ #-[ 編集]
「もっともっと京ことば」のファンになって1年半、このSF小説の存在を知ってこちらの方にものめり込んでます。
やっぱりね。“秋の号”で京太郎がミヒルちゃんの名前を聞いて顔を赤らめてましたよね。それを目聡く見つけた由緒正しき猫ちゃんが“青春だにゃん”か何か言ってました。それと、輝斗の顔からミヒルちゃんの面影が読み取れますよね。その推測がSFで丁寧に語られた感じで、我が家で“ウケテ”ます。
2008-11-11 Tue 10:10 | URL | なんどりあんの常連 #xFx1/FKc[ 編集]
なんどりあんの常連さんe
コメント頂きまして、ありがとうございます。
秋の巻のマンガで、そこまで読み取って頂いていたのですね(嬉)
おおきにありがとうございます!
今後ともどうぞよろしゅーお願い致します。
2008-11-11 Tue 18:26 | URL | ななちゃんズ #-[ 編集]

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