京都二條園2077

かぐや姫以来、初?の京都のSF小説。2077年を舞台にした京ことばによる奇想天外なストーリー。毎週火曜日更新!!はじめてお越し頂いた方は、「第一章・第一話 その1」からお楽しみ下さい。
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第一章・第一話 その2「京の静かな昼さがり」丸竹夷二押御池 あぁ~、ヒマやなぁ~

♪しあやぶったか まつまん ごじょお♪

「あぁ~、ヒマやなぁ~。なんでこないにヒマなんやろなぁ...。」
 通り過ぎて行くそのドイツ製のロボット回収車を、とある老舗の店の中から暖簾ごしに眺め、なにやらブツブツと呟いている初老の男性がいました。

「去年はここまでヒドなかったんやけどなぁ~」
彼の名は二條輝斗、齢57歳。
古くから京都市内で宇治茶を扱う老舗「お茶処・二條園」の店主です。身長は162cmと小柄ではありますが、意外に引きしまった筋肉質な体つきをしています。しかし、一見したところ、頭髪も少々さびしい感じが漂っていて...。ま、ひとことで言ってしまえば、どこにでもいるような『普通のおじさん』です。

♪せったちゃらちゃら うおのたな♪

「は~っ、またブンブンか...。」
このブンブンというのは、京都におけるコガネ虫の別称ですが、そのトラックの見た目からつけられたのは明らかなようです。いつ誰が言い出したのかは、定かではありませんが...。

「あれ、最近よー走ってんなぁ。ほんでまたエライ繁盛してんにゃなぁ。
ふ~ん。あないして、皆がほかすようなもん、タダみたいな値ぇで引き取って、
悪いトコだけチョコチョコッと直して...タッカイタッカイ値ぇつけて、
外国に売りとばすんやサカイ!。ほんま、エエ商売やなぁ~」

♪ろくじょうさんてつ 通り過ぎ♪
♪ひっちょう越えれば はっくじょお♪

彼のブツブツは続きます...。

「昔に比べたら、キョービはお茶の仕入れが高ぅなってしもて!
ま、ワシらみたいなチッチャイとこは、ホンマどもならんわなぁ~」

♪じゅうじょお 東寺で 
「そやけど、ホンマこれから、どないしたらエエのやろなぁ...」

♪とどめさす♪
「まるたけえびす」の唄のフレーズが終ったその時、

「輝ちゃん、ちょっと! ちょっとこれ、見とくれやすぅ。」

 少し慌てたような声が、店の奥から聞こえてきました。声の主は、二條ミヤコ。彼女は輝斗の叔母にあたり、現在七十七歳ですが、まだまだいたって元気で、シャキシャキしています。カテキンなどの成分が多く含まれ、昔から健康食品として重宝されてきたお茶を毎日頻繁に飲んでいる効果でしょうか?
 生粋の京女である彼女は、ずいぶん年下の甥にあたる輝斗にさえ、お店の主として丁寧に接し、また親しみを込めた「京ことば」で続けます。
「なぁ、輝ちゃん。これ、この注文書、ちょっと見とぉくれやす。
まさか、こないぎょーさんノ、こないな量の注文...。
たぶんイタズラかなんかやと思いますにゃけど...。」

「んあぁ~?」
輝斗はミヤコの手から注文書を受け取り、おもむろに目を通しはじめました。
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