京都二條園2077

かぐや姫以来、初?の京都のSF小説。2077年を舞台にした京ことばによる奇想天外なストーリー。毎週火曜日更新!!はじめてお越し頂いた方は、「第一章・第一話 その1」からお楽しみ下さい。
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第一章・第七話 その1「え?しらんかったん?」 ニューヨークまでじきどっせ

『きみも宇宙船で働いてみないか?』
と新聞の求人広告の見出しには書かれていました。

 しかし、仮にも地球を離れて遠い宇宙へ旅立つという一大決心が必要とされるミッションに対して、あまりにも軽すぎるフレーズではないでしょうか?あたかも『きみもサウナで汗をかいてみないか?』といったノリです。しかも、続いて、募集人員の欄には

 宇宙船内での軽作業員及び、あいさに船外にて販売員 若干名
 簡単なロボット操縦者               若干名
 調理人                       一名

とあります。
『宇宙船内にて行う軽作業』とはいったい何をするのでしょう?
『あいさに船外にて販売員』とは?
 京都中から集めた770トンの宇治茶を配達するだけではなく、『時たま』宇宙空間でお茶の販売も行うというのでしょうか?
さらに『簡単なロボット操縦者』とはどんなロボットを操縦しなければならないのでしょう?

 事の詳細を輝斗に知らせず、勝手に『二條輝斗』名義で求人広告を出した当の武士会長は、食事をさっさと済ませて京子やミヒルと一緒になって、一人娘・都々を相手に、ワイワイと楽しく盛り上がっておりました。

「都々ちゃんは、初めて出会った頃のミヤコちゃんに、ジャストライクだね。ミヤコちゃん、リメンバー?」
「イヤ、恥ずかしいわぁ。」
と、年がいも無く顔を赤くする77歳のミヤコに、京子が
「ふふふ...。ミヤコ、あんた憶えてるか?初めて武士さんの車で、雪の金閣寺に連れてもーた日ィ。『ウチも一緒に行くぅ~、お姉ちゃんもハヨ行こぉ~』ゆーて聞かへんかったやろ?」
「うふふっ。忘れますかいな。雪が降らなんだら二人の結婚は無かったかもしれへんなぁて、せんど言うてたやん」
「そうそう。あん時お店の前で、しらんまに武士さんと『雪合戦』してたんやったなぁ」
と、遠い昔の想い出話に花を咲かせていると、ミヒルの膝に座っていた都々が、急に
「えぇ? 昔は、京都でも雪降ってたん?」
と、めいっぱいに目を大きくして、心底驚いた顔をしていました。

 20世紀後半から危惧されていた『地球温暖化』ですが、温室効果ガスを2008年から2012年までに先進国で5.2%削減することが定義された『京都議定書』が2005年に発効された後も、各国の取り組み姿勢には相当に隔たりがあり、目標値には到底届かない結果となりました。
 異常気象が頻繁に発生し、災害が各地を襲うようになってから地球規模での対策がとられるようになったのでした。
 その後、CO2削減は順調に進んだのですが、気温の上昇を留めるに過ぎず、回復するまでには至りませんでした。一度失ってしまった環境はなかなか取り戻せるものではありません。

 2077年現在において、日本で雪が降るのは北海道だけになっていたのです。『本州では雪は降らない』が常識となっている時代でした。
 
 京都で雪が観測されたのは今から50年も前、2027年が最後だったのです。
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