第一章・第一話 その1「京の静かな昼さがり」丸竹夷二押御池 あぁ~、ヒマやなぁ~2008-04-01 Tue 17:58
時は2077年春、京の都。
とある昼下がりのことでした...。 ♪まるたけえびすに おしおいけ♪ 昔ながらの商家が並ぶ静かな露地に、お馴染みのわらべ唄が微かに流れていました。 古き良き都の風情は、ハイテクノロジー全盛のこの時代にもしっかりと受け継がれていて、心地よく響き渡る「京の通り名唄」は、あたりの町並みに柔らかく溶け込んでいました。 しかし、その「まるたけえびす」の唄を鳴らしていたのは、これがなんとも目にも痛々しいほどの鮮やかなメタリックグリーンのトラックで、その極端に丸みを帯びたデザインは一目で昆虫をモデルにした事がわかります。 最近この町内にも度々出没するこのトラックの正体は、もっぱら古くなった家庭用ロボットを収集しては自社でレストアし、アジアやアフリカ等の諸外国に転売している中古ロボットの回収業者の車でした。近頃流行りのこの昆虫型トラック...。子供達の間では、わりに人気者ではありましたが...。 ♪あねさんろっかく たこにしき♪ スピーカーからの音楽に、マイクアナウンスが重なります。 えーっご町内の皆さま~。たいへんお騒がせしております~、こちらは~ロボット回収でお馴染みの~「関西ロボット販売」でございます。ご家庭で~ご不要になられましたぁ「おそうじロボット」「お料理ロボット」~または犬型~・猫型~・ウサギ型~の「ペットロボット」などはございませんでしょうかぁ?ございましたら~、トイレットペーパー、電子クレジットポイントなどと~交換させて頂いております~。特にぃ、74年製後期モデル~、ウサオちゃんタイプのパールホワイトは、即決高値にて買い取り中でございますぅ~。ウサオちゃ~ん、おへんか~。ウサオちゃ~ん、あらしまへんかぁ~。 ちょっと鼻声のアナウンスは若そうな男性の声で、語尾を長く伸ばす独特の節回しが印象的です。この時代の子供達にはずいぶん新鮮で面白く聞こえるらしく、「で、ございますぅ~。」等と、口まねをしている姿も見かけられます。また、21世紀初頭に生まれたおじいちゃん・おばあちゃん世代には、昔ながらのちり紙交換・古紙回収車と同じ節回しが大変懐しく聞こえるようでした。 スポンサーサイト
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この記事のコメントプロローグ(?)に使われている「丸竹夷」ですが、NHK教育テレビの「みんなの童謡」で11月15日から流れていますね。
(編曲・ピアノ)上柴はじめ (うた)あいりすぐるーぷ (演奏)長岡京室内アンサンブル とありました。 いいですね。 でも、“六条~”以下の歌詞が、「もっともっと京ことば」に採録されているのとちょっとだけ違ってました。 子供たちが住んでる地域で少し派生があるのかな、と理解してみましたが、そんなところでいいんでしょうか?
2008-11-16 Sun 16:27 | URL | なんどりあんの常連 #xFx1/FKc[ 編集]
なんどりあんの常連さんe
コメントありがとうございます。 みんなの童謡で流れているバージョンはまだ聞いていないのでわかりませんが、『丸竹夷』はいろいろな歌詞で、うたわれているようです。「魚の棚」や「九条」で終るバージョンもあります。 若い世代では「五条までしか覚えていない」という人がかなり多く見受けられますし、おっしゃる通り、地域で節回しまで違うようです。 みんなの童謡、また聞いてみますね!
2008-11-18 Tue 21:17 | URL | ななちゃんズ #-[ 編集]
今年も花灯路推進協議会のHPが出ていました。今年は3月13日から22日までの10日間。
私は観光客でごったがえすベストシーズンを避けつつ、年10回強の“京都レストラン探訪”をしている者ですが、花灯路の期間(オフシーズン)にはなぜか折悪く、出会いは太い電力ケーブルを巡らせて準備している場面のみなんです。 この季節の寒い夜、牛すね肉をとろとろと煮込む食欲をくすぐること間違いなしの香りを漂わすお店がありますよ。二年坂の洋食のMSN(母音字伏字)なんですが、それをいただかずに散歩だけで帰ってきて、花見小路四条下ル歌舞練場隣の“なんどりあん”に立ち寄るのが粋なんです。
2009-02-01 Sun 15:20 | URL | なんどりあんの常連 #-[ 編集]
見るでもなく見ていた昨年末のNHK番組でした。
タイトルは「丸竹夷にない通り」。これで間違いないんですが、細部で思い出せない部分があって、見ていた方で詳しい方、教えてください。 (途中から見たので)主人公の男性は京都在住の婚約者のおうちに初めての挨拶に出かけたようなんです。ところが、住所を書いたメモも、携帯電話も自宅に忘れて、あわてて新幹線に飛び乗ったようでした。 京都駅に着いてタクシーに乗り込んだ主人公、分かっていることは、彼女の家が「丸竹夷の歌にはない通り」だと教わったことだけ。 そんな設定で主人公が京都市内の“ろうじ”というろうじを尋ね回るんです。それも、1泊か2泊して。 最後の最後に、とある“ろうじ”で「丸竹夷の歌」を耳にします。それが婚約者が口ずさむ声でした。 約束の日にやってこなかった彼をみつけた婚約者はびっくり。「京都は狭い街どすやろ」とか何とか言う彼女に、「京都の街は広かった」と溜息をつく彼。 さて、そんな番組でしたが、 どこどこを巡ったのだったか、(私には迷い込んだことのないろおじが多くて)ほんの一部しか思い出せないんです。行ったことのあるあじき路地とか三上家とかはすぐにわかりましたが。 見ていた方でご記憶の方、教えてください。 あるいは、 「あじき路地」的な“異空間”をご存じでしたら、それも教えてください。 つぶやき:京都人はそんな番組見てないのかな。
2009-02-03 Tue 15:32 | URL | なんどりあんの常連 #-[ 編集]
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