第一章・第五話 その3「宇宙船でお茶の配達?」 はぁ~??????2008-08-26 Tue 16:49
輝斗は『ああっ!』と小声を出し、ホログラム映像に映し出された村田くんと、ホログラムを映写している村田くんを、かわるがわるに見ました。
~映像はアナウンサーと研究所建物の3D映像に切り替わり、金髪のアナウンサーが再びリポートを始めました。~ 「その『宇宙からメッセージ』は当初、何かのいたずらではないか?とも考えられ、綿密な調査が行われました。 その結果『メッセージ』は当時、『東乃宇宙開発研究所』で開発されたばかりの、新素粒子を用いた特許申請直前の『新型モジュール』を利用し、さらなる改良を加えられた宇宙空間通信システムが使用されている事が判明しました。 機密開発されたばかりのこのシステムが、極めて高いセキュリティーを誇るこの研究所内から漏えいしたとはとうてい考えられず、ましてや実際にこのシステムが使用された映像が送信されて来たということ事態、信じがたいことでしたが、さらに驚いたことに、そのメッセージが送信されたのは『西暦2077年』であると識別されました。 つまり、2020年の当時に2077年の未来、しかも宇宙空間からメッセージが届いたというわけです。この予測不可能な事実に研究者たちは驚愕の色を隠せませんでした。」 ~映像は研究所内の会議室とおぼしき部屋で、研究者たちが激しい議論が交わしているシーンに切り替わりましたが、アナウンサーの解説は続いています。~ 「当時の研究所で開発中の宇宙空間通信システムは、アインシュタインの相対性理論『いかなるものも光速をこえられない』という論理に基づいたものでした。つまり、発信してから受信するまでに、一定の時間がかかる『既存遅延波理論』で構築されていたのです。 しかしこの『2077年』という未来からの偶然の受信により、新型通信モジュールの新しい可能性を見い出した科学者集団に、大きな発想の転換と数々のヒントをもたらしたのでした。その後、未来から発信した電波を時間をさかのぼって過去で受信する『新先進波理論』を構築するに至ったのです。」 ~映像は『遅延波』『先進波』の説明が図解で映し出されていました。~ 「7年後の2027年、研究所ではこの概念をもとに通信速度が光の壁を超えるという技術を完成させ、例の『メッセージ』を、ほぼ完全な状態で受信する事が可能になりました。 次々に送られて来る『メッセージ』の内容を確認した研究所のCEOである東乃武士は、当時、京都出張所の所長を努めていた『二條京太郎』、通称『ドクトル二條』を開発リーダーに任命しました。大抜擢といえる大胆な人事でしたが、『ドクトル二條』は天才的メカクリエイターとしての才能を開花させ、世界各地から優秀な人材を集めてチームを結成し、映像に映し出されているものを模倣する形で、宇宙船、ロボット等のアイテムを開発製造し、期待以上の成果をあげたのです。」 スポンサーサイト
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2008-08-27 Wed 20:27 ブログニュース
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