第一章・第三話 その5「輝斗おかえり」て、どちらさんどす?2008-06-24 Tue 15:01
さて、突然に帰宅した輝斗の両親...。
父の二條京太郎が高校生だった21世紀初頭。 かつて任天堂「wii」のオンライン・ゲームプレイヤーが2億人に達した頃に、名うての天才プレイヤーとして「ジョニーK」というハンドルネームを世界に轟かせていたのです。 そして「イーストコースト」は、いわずもがな「アメリカ東海岸」。 「ジョニーKフロムイーストコースト」 50数年前、京太郎が母と自分をなかば置きざりにするようなかたちで出向してしまった宇宙開発研究施設があるアメリカの東海岸... 輝斗はようやくいままで苦労して解けなかった謎の真相がわかり、パズルの最後のピースがぴたっとはまったような爽快感を味わいました。 「もう~。なんや、二人とも! 最初にひと言ゆーてくれたら良かったのに!」 「ふふん お前をびっくりさしたろ思てな ふがぁ~っはっはっは」 泣きながら喜ぶ息子を見て爆笑かつ豪快に笑う父、それをあたたかく見守る優しい母のまなざし...。一見したところおかしな光景ではありましたが、三人にとってのこの再会は、あまりにも長い時間を経てようやく実現したものでした。 「お父ちゃんも、お母ちゃんも。おかえり...。僕、長い事待ってたんやで」 まぁ、何年離れていても、またいくつになってみても、親子は親子。父と母との再会を喜ぶあまり、込み上げてくる少年の頃の寂しかった思い出に、またもや涙する輝斗でありました。 ああ、良かった...。良かったね...輝ちゃん。 しかしこの時点では、地球の未来を根底から変えてしまう「壮大なる宇宙への旅」に関する概要を、輝斗はまだ何も知らされていなかったのです。彼が「やっとできた!」と、思ったパズルは、これからあかされる一連の宇宙開発プロジェクトのごく一部分、単なる序章に過ぎないのでした。 しかも喜びのあまり、二條園上空に浮かぶ例の『飛行物体』の事なんて、す~っかり忘れてしまっている輝斗なのでありました。 同じタイプの「超光速移動体」がもう一機。刻一刻と彼のもとに近付きつつある事も、つゆ知らず...。 スポンサーサイト
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