京都二條園2077

かぐや姫以来、初?の京都のSF小説。2077年を舞台にした京ことばによる奇想天外なストーリー。毎週火曜日更新!!はじめてお越し頂いた方は、「第一章・第一話 その1」からお楽しみ下さい。
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第一章・第二話 その3「前ぶれーション」 なんぼなんでも!どこのどなたはんどっしゃろ?

 ふだんの二條園における商いの心配事といえば、毎月の注文、売上げが少ない場合や、卸先からの予定していた入金がない場合などですが、今回のケースは、大量注文の一括大口売上げ。しかも納品前に先払いの入金済み。
 本来ならうれしい悲鳴が上がるはずなのですが、なにせ、今まで取り扱った事も無いお茶の量をどう確保するかという問題が先行して、逆に窮地に追いやられてしまったような状態です。
 
 輝斗の乗ったバンを見送っていたミヤコと弥生は消え入りそうな小声で話をしていました。
「そやけど弥生ちゃん...、今回のことは、ウチほんま心配やわ。」
「ミヤコおばちゃんもどすか?...。」
二人とも、仕事に対しては異常なまでに責任感の強い輝斗を知っているだけに、心の底から案じていたからです。
 
 と、その直後の事です。
どこからか、柔らかくて透通るような調べが聞こえて来たのです。
 それは今まで聞いた事もない、珠玉のオペラハーモニーのような、なんとも心地良く空気を震わす『メジャー和音』でした。またそれは、遠い空から聞こえて来るようでした。

「や、弥生ちゃん! あれ、あれ」
ミヤコは思わず弥生に抱きつきました。ミヤコが指差す東山方面の空を見上げた弥生も
「へ? ひゃ~~~~~~~!」
声にならない悲鳴をあげミヤコに抱きつきました。

 東山方面の空は、雲が上下に真二つに切れ、その雲の切れ目からはキラキラと七色にも輝く太陽の光が差し込み揺れていたのです。またその不思議な光のカーテン?ともいうべきものは、瞬きをするほどのほんのわずかの間に二人の頭上を超え、さらに西の方角に伸びていきました。そして、オーロラのような尾を残しながら直線を描き、最後は西山へと消えていきました。
 東の空を振り返ってみても光のカーテンは、すでに跡形もなく、さきほどまで聞こえていたはずの『メジャー和音』もいつのまにか消えておりました。もう一度、西の上空を見渡してみても、やはりいつもと同じ穏やかな京都の空が広がっているだけでした。

 いったい今のは何だったのでしょうか?。あの上空から聞こえてきた美しい旋律、そしてその直後の光の芸術ともいうべき空中現象。
しばらく二人は抱き合ったまま、じっと空を見上げておりました。

「お母ちゃん、ミヤコおばちゃん。今のン見た?」 
そこへランドセルをしょった小学生の女の子が息せき切って、駆け寄ってきました。
 輝斗と弥生の一人娘『都々(トト)』です。
学校の帰り道、彼女も一生忘れないであろう、不思議な光景を目撃したのです。
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